自動車保険の自賠責保険の補償範囲について改めて考えてみましょう。まず自賠責保険とは車を所有する際に、その一台一台につき入らなければならない保険です。1人で10台の車を持っていたら、10台分の自賠責保険料を支払わなければなりません。そしてそのどれかの車を人に貸してその人が事故を起こした場合、被害者への補償はその車にかけた自賠責保険からなされ、それでまかないきれない分は、運転していた人と車の所有者に賠償責任があります。
自動車保険の自賠責保険では、車を運転していた人以外にも、そんな人に車を貸した人も悪いということにしているわけです。ではそれが無断運転だったとしたらどうなのでしょう。本人の知らない間に運転がされていたら、それでも賠償責任を負うのでしょうか。これが盗難車で、保有者に過失がない場合には賠償責任はなく、自賠責保険も下りません。では被害者は泣き寝入りなのでしょうか。この場合は政府の自動車損害賠償保障事業に請求すれば、自賠責保険と同じ額までの補償を受けることができます。また任意の自動車保険の中には、こういった自動車事故でも補償してくれるものがあります。
自動車保険の自賠責保険は、自賠責保険法によってその内容が厳密に決められています。そこで認められている補償内容は人的損害に対してのみで、物的損害は補償の対象外となっています。また被害者側に過失があった場合はそれなりの減額がされますが、その減額割合が任意保険とは違います。被害者の過失割合が70%未満の場合、自賠責保険の支払いは減額されません。これが任意保険だと、被害者が60%悪ければ、補償は40%しか受けられなくなります。
自動車保険の自賠責保険は、過失割合が70%以上のケガの場合で20%の減額、死亡・後遺傷害では最大の減額で50%となります。この減額が行なわれるのは被害者の過失割合が90%以上で100%未満だったときです。さすがに被害者が100%悪いときには支払われないのですが、加害者側に1%でも落ち度があれば、死亡・後遺障害に対して半額の自賠責保険が支払われるのです。
自動車保険の自賠責保険は、ケガの場合最大で120万円、死亡は3,000万円、神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残し介護を要する1級の後遺障害で4,000万円までの補償となっています。